院長ブログ

2013年4月 4日 木曜日

腸閉塞について2

前回、腸閉塞についてお書きしましたが続きをアップしたいと思います。
前回は腸が捻じれて起こる閉塞についてお話しましたが一番怖いのは腸閉塞のもう一つ、腫瘍などによる腸閉塞です。
その代表が大腸癌です。
(おそらく坂口良子さんはこのケースであっただろうと想像されます。)
癒着性腸閉塞は開腹既往がある方がほとんどです。つまり開腹既往がない方の腸閉塞は大腸癌の可能性が高く、とても危険なのです。
大腸癌は大腸の内側にある粘膜から発症します。
その後腫瘍は内側に発育していき最終的に大腸の内腔を占拠すると
便もガスも通さなくなって腸閉塞になります。
もちろんこの時には進行癌になっていますので転移している可能性が高いことになります。
また、癌による腸閉塞ではその口側の大腸が著明に拡張し、最終的には腸が破れて便が腹腔内に漏れて腹膜炎になることがあります。
便による腹膜炎は非常に予後の悪い病気の一つです。
同じような腫瘍でも出来る場所によって症状の出方が若干変わります。
肛門に近い場合は便が固まりになっていることが多いので、そんなに腸が狭くなくても便が通りにくくそのための腹満感などが出やすいのですが、
肛門から遠い大腸(坂口さんに出来たといわれている横行結腸など)では便が粥状ですので、多少腸が狭くても便が通過し腸閉塞症状は出にくいのです。以前は直腸癌が非常に多かったのですが、最近では肛門から遠い癌の頻度が増加してきています。
以前は直腸やS状結腸など肛門に近い癌が多数を占めていたのですが、最近は肛門から遠い癌がどんどん増加してきています。
すなわち症状が出にくい場所の癌が増加してきているということになります。
便秘気味の方や便潜血陽性の方はもちろんですが、症状のある・なしで安易な判断はせず、
定期的に大腸を全部観察する全大腸内視鏡検査を行われることを是非お勧めします。


花畑クリニックでは定期的な全大腸内視鏡検査をおすすめしています。

投稿者 医療法人社団 緑水会 | 記事URL

2013年4月 2日 火曜日

腸閉塞について

先日芸能人の坂口良子さんが亡くなられました。
報道によると昨年腸閉塞となり、肺炎およびインフルエンザを併発したということです。
直接の死因は明らかになっていませんが、腸閉塞がそのひとつの要素であったことは間違いないと思われます。
そこで今日は腸閉塞についてお話したいと思います。
腸閉塞の症状は腹痛、嘔気、腹満などです。
腸閉塞はその名のとおり腸が閉塞してしまう状態をさします。
いろいろな原因で起こりますが、頻度的に多いのは次の二つです。
一つは腸が捻じれて閉塞してしまうもの、もう一つは腫瘍等によって閉塞してしまうものです。
まず腸が捻じれておきるのは開腹手術後の腸の癒着が原因です。これは癒着性腸閉塞というものです。
つまり過去に開腹手術の経験がある方はこの可能性があります。
そもそも腸は食物を運ぶために常に動いています(これを蠕動運動と言います)。
普通は腸はどこにも癒着していないのですから、どんなに動いても捻じれたりはしません。
しかし、開腹手術をするとほぼ全例少なからず癒着します。
開腹した時のお腹の傷は縫合するわけですが、抜糸しても傷が再び開くことはありません。それは体が傷をくっつける接着剤を分泌するからです。
しかしその接着剤は傷をくっつけるだけではなく、お腹の中に出たものは腸と腸や腸と腹壁などもくっつけるのです。
その状態で腸が動くわけですが、癒着している部分が動けず軸となり、ほかのフリーな部分が自由に動くことで捻じれたりします。
腸が捻じれることで腸の管腔が狭くなったり塞がれたりするのです。これが癒着性腸閉塞の機序です。
閉塞した手前、つまり口側の腸は食べ物や腸液などでどんどん拡張していき、腹痛や吐き気などを起こします。
治療は絶食点滴が基本ですから入院が必要になります。
拡張が強い場合は閉塞部の手前まで管を挿入して体の外に吸引することが必要になります。それでも改善しない場合は手術が必要となります。
また、捻じれ方が激しかったり、体から分泌された接着剤が紐状になりこれが腸を締め付けたりして、腸の血行が悪くなった場合は壊死してしまいます。
診断時期や治療法を間違えると命の危険があります。緊急手術の適応です。
これは絞扼性腸閉塞と言われるもので、もちろん医者が一番気をつけなければいけない状態です。
しかし、癒着性腸閉塞は絞扼性腸閉塞と嘔吐物の誤飲による肺炎さえ気をつけていれば命を落とす危険はまずありません。
少し長くなりましたので後の一つは後日にします。

大腸内視鏡検査なら花畑クリニックへどうぞ

投稿者 医療法人社団 緑水会 | 記事URL

2012年6月21日 木曜日

生活習慣病の治療を考える

開業していろいろな疾患を診察するようになりましたが、圧倒的に多いのはいわゆる生活習慣病といわれる高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などです。
これらの治療は内服薬が主体ですが、一番多い質問が「飲み始めたら一生の飲み続けなければいけないのでしょう?」ということです。
飲み続けなければいけないかと問われれば答えは「No」です。
生活習慣病に共通して言えるのはすべて血管の病気、つまり動脈硬化を起こすということです。
ですから血管の多い臓器、血液の流れがその機能に重大な影響を及ぼす臓器に傷害を及ぼす可能性が出てくるのです。
その代表的なものが脳梗塞、脳出血、心筋梗塞です。そして最近問題になってきているのが、将来腎不全から透析が必要になってくる慢性腎臓病です。
血圧が高い状態や血糖や悪玉コレステロールが高い状態が長期化すると命にかかわるおおきな疾患が待ち受けているのです。
そうならないように血圧や血糖値やコレステロールを正常に保ち続けることが重要なのです。
薬無しで正常になるのが理想です。しかしこれらの疾患は呼んで字の如く今までの生活習慣の積み重ねが原因で起こったものです。
食事摂取カロリーの制限やアルコール制限や運動の励行などで改善が期待できますが、時間がかかります。
その間に異常な血液をかかえた時間を過ごしていくことになります。その時間が動脈硬化を進めます。
ですからまず薬の力で正常な状態に戻し、最終的には生活習慣の改善で薬が不要になることが理想的だと思います。

からだの不調やお悩みがある方は花畑クリニックへどうぞ

投稿者 医療法人社団 緑水会 | 記事URL

2012年5月31日 木曜日

スキルス胃癌について補足

ここ何回かの記事でスキルス胃癌についていろいろ書いてきましたが、もうひとつ書いておかなければいけないことがあります。
それはスキルス胃癌はもちろん怖い癌の代表ですが、胃癌全体から見ると非常に少ない癌であるということです。
その他にも内分泌細胞癌などスキルス胃癌と同じように、いやスキルス胃癌よりもっとたちの悪い癌もありますが、
こういう癌もまれです。頻度の多いタイプの胃癌は、現在の性能の良い内視鏡を使うと早期発見が可能です。
何回も言うようですが、癌の初期はどこの癌でも痛くも痒くもありません。とにかく定期的に精度の高い検査を行うことをお勧めします。
癌から身を守るためにはそれしか方法はありません。

胃癌から命を守るためには定期的な内視鏡検査を花畑クリニックで

投稿者 医療法人社団 緑水会 | 記事URL

2012年5月25日 金曜日

スキルス胃癌・・・続き

前回はスキルス胃癌について書きましたがスキルス胃癌を発見することが出来るんだというところで終わっていましたので今日は続きを書きたいと思います。
さあではどうしたら発見できるのでしょうか。ここでもうひとつ誤解されている方が時々いらっしゃいます。
それはスキルス胃癌は内視鏡よりレントゲン検査(バリウム検査)の方が発見しやすいと思っている人です。外来で時々そういう質問を受けます。
これは進行癌のことです。時々、早期のスキルス胃癌が学会や研究会などで発表されますが、その発見の契機はほとんど内視鏡検査です。
スキルス胃癌は胃の内腔表面(粘膜表面)に露出しにくく、壁のなかを這うように広がるから発見しにくいのですが、粘膜面にも色調など多少変化が起こります。
早期がんの段階でそのわずかな変化を捉えられるかどうかがポイントです。レントゲン写真は白黒ですので色調はわかりません。
実はこれが難しいので早期発見が困難なのですが、そのためには以前の所見を参考にしながら定期的に検査を行うことが重要です。
前回所見との変化も重要なのです。
また内視鏡の機器も拡大機能や狭帯域光観察などの特殊な機能を持つようになって、観察能力は確実に向上しています。
同じスキルス胃癌で手術をされましたが、ご健在でいらっしゃる王貞治さんは頻回に内視鏡検査を行われていたと聞いています。
ですから、私も少なくとも1年に1度の内視鏡検査を受けられることをお勧めしています。

内視鏡検査を受けるなら花畑クリニックで

投稿者 医療法人社団 緑水会 | 記事URL

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